Giveseedストーリー 大塚健一朗 その2

ある日の婚礼撮影。

一人の男性ゲストが僕に話かけてきた。

「あんたは幸せな仕事しとるな」

んん?と思いながらも、「ありがとうございます!」と答えた。

その男性から、次に出てきた言葉を僕は今でも忘れられずにいる。

「あんたは結婚式の写真を撮るカメラマンだけど、世の中には色んなカメラマンがいる。報道カメラマン、映画カメラマン、戦場カメラマンってな。あんたみたいに幸せな場所の撮影ばかりじゃないんだぞ。

戦場なんか目の前で命が消えようとしていても撮らんといけん。あんたは人の笑顔だけ撮ってたらいいだけな。」

 

複雑な気持ちだった。

悔しいような、思い知らされたような、何とも言えない心境だった。

僕はその言葉をメモしデスクの一番見えるところに貼った。

毎日、毎日その言葉を眺めながら色んな事を考えた。

 

写心家になろう。心を映す写心家になろう。

幸せな撮影をさせてもらってるのは間違いない。ならばもっと、もっと

見た人が共感し幸福感に浸れる様な、または幸せ感だけでなく、その人の

                   人生を語れるような一枚を映す写心家になろうと。

 

 

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